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2008年6月5日木曜日

underground aesthetics: rethinking urban computing /paul dourishのプロジェクト

paul dourishの論文をあさっていたら、先行研究として参考になりそうなプロジェクトがあったので載せます。論文ほど難しくないので、さくさく手軽に読めます。
underground aesthetics: rethinking urban computing

哲学的な部分がかなり参考になる。音楽を街で聞くとはどういうことか、人が音楽を楽しむとはどういったことなのか、参考にしていきたいと思う。



まずは、デザインの内容を要約したもの

・a moblie phone client lets both emerging musicians and audiophiles wirelessly upload their tracks at upload point inside the underground station ticket halls.

・this same phone application lets users download tracks from download points on the train platforms as well as from other users in proximity.

・the phone application stores metadata from each music exchange, which the upload and download access points throughout the undersound network collect and use to drive large visualizations in the ticket halls, which reflect the music's movement through the network.

・携帯会社は、アップロードポイントを地下鉄の駅、チケット販売ホール内に設置し、無線で新生ミュージシャンやオーディオファンに彼らのトラックをアップロードさせる。

・これと同じ機能を利用して、ユーザーが電車のプラットホームのダウンロードポイントから、もしくは近辺にいる他のユーザーからもトラックをダウンロードできる。

・この携帯アプリケーションは、アンダーサウンド・ネットワーク全体でアップロードとダウンロードのアクセスポイントで収集したすべての曲共有のメタデータを保存でき、それをネットワーク上での音楽の動きを反映するため、チケットホールで大きく視覚化させる。

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つまり、要約すると、
誰かが曲をアップロードしてそれを他の人がダウンロードできて、それをまた他の人と共有できて、ってどんどん地下鉄内で曲が動いて、その曲の動きがチケット売り場に作られたスクリーン上で見れる。
ってことらしいです。これが実際に実装されたのかはまだ読んでないので分からないけど、
少なくとも2007年ロンドン地下鉄では見た事ないです。(ロンドンにいた友達によると)



あと、第2章を訳したものを載せます。

2章
Noninstrumental aspect of London's Underground
(ロンドン地下鉄の大事じゃない局面?)謎。
エスノグラフィー調査について書いた章。

【1】研究の意義と概要

■Tubeはすごい!
the Tube は ロンドンの city transportation の中心
たくさんのexperienceをsupport
しかしtubeの研究は最近されていない。
ので経験のaesthetic components に対する理解を深めるための研究をしている。
application designに生かすのが最終的な目的。

■研究の概要
目的:
乗客が 他の乗客/もしくは空間とどのようにinteractionしているか見る
interactionはテクノロジーを通じて現れるから、
デジタル/ノンデジタル両方のテクノロジーを観察した。
(ノンデジタル: 新聞、本、チケットとか)
個人と集団両方の地下鉄での経験にfocusした

【2】エスノグラフィー的調査
■ 他人に興味がない例
乗客A「ロンドンでは話しづらい雰囲気だから、無言で席を譲る」
乗客B「本がないとつまんない」
他人に興味がない ⇔ 席をゆずるって社会参加
上のようにプライベートと社会参加のtensionのバランスをとるのに
新聞から音楽プレイヤーまで種々のメディアやtechが使われている
他の人見ないためにtechnologyを使ってる。
音楽プレイヤーは周囲の空気読んだりしない:社会へのdefenseになる
すべてのテクノロジーは他人とのインタラクションを疎外
user は public invisibility力 を備えるのに成功

■ 他の乗客に興味を持って、寄り道しちゃう例
乗客C「他の乗客とcontactする、それを見る他の人」
乗客D 「ひとめぼれした人を追っかけたり、そのために遅く歩く。
街あるいてると20回はひとめぼれしちゃうの」
乗客E「持ってたguidebook の表紙から、その子がタイ人であることを判断。
かわいそうなので道案内してあげた。」
他の乗客の本の内容を見る、みたいな単純な行為:
単純に他の乗客の読書のテイストわかるし、
その人のそれまでの day's activity を大きく変えてしまう!すごい!

乗客の持ち物:
単に想像力をかきたてるだけでなく、インタラクションの可能性を秘めてる。

■ unspoken 非言語コミュニケーション の例
乗客F「チケットを交換するunspoken な exchange」
 day-travel card:
紙チケットだからこその行為が利用者の中に発生
RFID の Oyster card では起こらない。
乗客F「読み終わった新聞を次の人のために車内に置いて帰る」
 無料紙だけでなく有料の The Guardian紙 まで置いてく人も
↑ unspoken exchange の channel として機能
現在と未来の乗客を把握できる。
テクノロジーは、個人の経験を豊かにするだけでなくて、その人の周囲にある環境との関わり方を変える!

■ 閉じこもる人々の例:
すべての壁に貼られているポスター
 ↓↑
個人が持つ personal technology

personal technology によってメディアのコンテンツが人を支配。
:人自身が、多様なメディア(携帯、本、音楽プレイヤーとか)の一部に。
- 地下は電波ないので、携帯でゲーム、読書、古いメッセージ削除、音楽聞くとか。
- 目線は自分の荷物を常に見てる。ある種のパーソナルスペースを作ってる
- 世界に入りすぎて、電車を逃すことも

■ technology使用経験が記憶と結びつく例:
乗客G 「音楽で職場近くの駅の様子を思い出す」
毎日同じ曲を聴いて通勤。特定の曲が通勤時間のシンボル化。
→ " mnemonic narratives 記憶を助ける物語 " をつくってる。
乗客H「ある駅で起こったパニックアタックを、
現地に行かなくても路線図を見るだけで思い出す。」
→ 地下の景観(統一感のある車体/個性的な駅)と掲示物があいまって、
地下鉄と都市両方の経験を豊かにする。
地下が、人間とカオスな都市とを結ぶインターフェースとしての地理に影響。

【3】調査まとめ
(1)テクノロジー利用自体でなく、それによって得た経験に意味がある。
経験とは:
他の乗客に興味を持って、unspoken なやりとり(社会性)
 ↓↑ 乗客は両方をあわせ持つ。
技術を、social isolation を保持ために使う(個人)

(2)リッチな "mnemonic narratives " の生成
みんなが見れる駅の個性的な景観とか掲示物 (public)
 ↓↑ 2つの相互作用
個人の持つtechnology (private)
相互作用が地下鉄での経験を意味のあるものにしている

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